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第二部:第04話【歓楽街】 [鬼畜召喚師ランス]

一夜を挟みランス達は六本木の街を探索する。



……9日目。

新宿の回復道場で夜を明かしたランス達は、現在は転送完了し、六本木ターミナルの入り口に居た。

悪魔はまだ召喚していないので、リアとマリスのみを前に、ランスは言う。


「さて、これからどうするかな……マリス、提案を聞いておいてやる」

「はい……まずは情報収集が最適かと」

「んん? やっぱりか、俺様は悪魔を仲魔にしに行きたいんだがな」

「"闘鬼"って言う種族を仲魔にしたいんだよね?」

「うむ」

「仲魔探しも良いかと思いますが……まだ六本木についてはターミナルの位置しかわかっていません。
 ですから先に"この街"を理解するのが先決かと。どちらにしろ、ランスさんの意見に従いますが」

「そうだなぁ~……良し、まずは適当に歩くぞ! 情報収集はめんどいから、お前に任せる」

「わかりました。」


……


…………


六本木の街中を歩いて回るランス達。

そんな中、何度かランスが女性をナンパしようとしてリアに邪魔されていたが、
反面でマリスは巧みな話術で情報を次々に仕入れていた。

逆に役立たずなランスとリアだが、この二人が聞くより、
マリスが聞いてその情報を二人に伝える方が、伝達に狂いが無いのだ。

そんな訳で30分ほど経過すると、ランスは心の中で愚痴る。


「(はぁ……こいつ(リア)と目的無しに居ると疲れるな、もうだるくなって来たぞ)」

「ランスさん」

「なんだあ?」

「どうやら六本木は、武器屋と防具屋……そして、ターミナル以外では、
 悪魔を相手にする者に必要な主要施設は、これといって無いそうです」

「ほう」

「理由として六本木の外れの地下通路を通って行ける、
"銀座"に多くの施設や勢力が集まっているからのようですね」

「そうなのか、だったらさっさと銀座に行くか?」

「私も始めはそう考えました……ですが、銀座では更に強力な悪魔が徘徊しているようなので、
 やはり先に3体目の"ライト悪魔"を作るのが良いかも知れません」

「となると、仲魔探しか……だがマリス」

「何でしょう?」

「武器屋と防具屋しかない割には、やたら賑わっている気がするが」

「そうですね、六本木は街と街との重要な通過点ですし、
 即席で此処までの規模になった"歓楽街"が最大の特徴である街のようですから」

「歓楽街だと?」

「簡単に言えば、売春館が犇(ひし)めいている街と言う事ですね。
 力の無い女性は、体を売って金銭を得なければ最低限の生活さえ困難のようです」


まるで受付の案内嬢の様に仕入れた情報を元に説明するマリス。

ちなみに、ランスがナンパをしていた事が多かったのは、歓楽街の所為である。

逆に際どい姿をした女性にランスが声を掛けられると言うのも、多かったのだ。


「むぅ……歓楽街か、良い響きだ……なんなら、俺様もひとつ遊んでみるかな? ぐふふふふふ……」

「ちょっとダーリンッ? リアが居るんだから、そんな事する必要ないでしょおーー!?」

「だまれだまれ、言ってみただけだ。(機会があったら入りたいがな)
 とりあえず俺様は歩いて疲れたぞ、その辺の店にでも入って休むか」

「あっ、だったらリアも入るぅ!」

「チッ、勝手にしろ。マリス、お前も来るか?」

「いえ……そうですね、私は武器防具屋の位置等を調べて来ようと思います。
(リア様の邪魔をしないようにしておきたいですし)」

「そうか、だったら2時間後にターミナルで落ち合うぞ?」

「わかりました、では」


≪ザッ……≫


「……っと、ちょっと待て」

「はい?」

「また変な野郎に声でも掛けられたりでもしたら……いや、街の様子を考えると無いかもしれんが、
 そんな時は金縛りにでもして股間に蹴りでも入れてやれ、俺様が許すぞ」

「ふふ、潰してしまわないように善処します。」


本人は労ったつもりのランスの言葉に微かに微笑むと、ツカツカと人混みに消えてゆくマリス。

その後姿を眺めながら、何故か暫くランスは黙っており、気にしたリアが目をパチパチさせて声を掛けた。

女性にはわからない、男性のみが感じる言葉の重み……返答は予想通りだったが、彼は違和感を得る。


「…………」

「あれぇ? どうしたの、ダーリン?」

「ん、いや……あいつが言うと怖いなと思った」

「????」


……


…………


十分ほど一息つける、店探しをするランスとリア。

そんな中 何度かソープのような店に入ろうとしたランスだったが、その都度リアに止められ、現在に至る。

歓楽街だけあって店の中で娼婦を売って抱かせ、金を取る店ばかりのようだが、
全てが歓楽街というはずも無く(六本木全体の2割か3割程度)、
何度か角を曲がり静かな通りで、リアはようやく一軒のショットバーを発見した。

彼女はラブホテルのような所に入りたい気もしたが、逆にそのような店は、意外と少ないようだ。


「あっ? ダーリン! あそこなら良いんじゃないかなぁ?」

「どっちかって言うと、普通そうな店ではないか」

「それで良いもん」

「つまらんつまらん、つまらんぞおぉ~」


全体的に暗めの店ではあるが、大人の雰囲気が漂っている店。

その為か、ガラス越しの店内の様子では、若いカップルが多いようで、リアはランスの腕を引っ張る。

……対して、ランスはこのような店はあまり好きではないので、機嫌が悪そうな表情でリアと共に入店した。

実を言うと六本木のネオン街は彼にとって斬新で性欲を二の次に、ランスの興味を惹いていたのである。


≪ウィーン≫


「いらっしゃい」

「二名様だ、さっさと案内しろ」

「……っ!? は、はいっ」


二人を迎えたのは、耳にピアスをした柄の悪そうな茶髪の若いウェイターだったが、
ランスの強気な態度とアームターミナルを目にして、逆らってはマズい客と瞬時に判断し、丁寧な接客をした。

そんな若いウェイターが案内したのは、店の奥の黒いソファー。

6人は座れそうなVIP仕様のソファーに腰掛け、ランスは僅かに機嫌をよくしたか、若い男を見上げて言う。


「酒はいらん。何かスッキリするもんをくれ」

「こっちも同じので~」

「へっ、へい」

「ダーリン、ここ、良いお店だねぇ?」

「ふんっ、まぁまぁだな」

「んふふ~」


≪べた~っ≫


偉そうに腰掛けるランスに、リアはコテンと体を預ける、というかくっ付く。

こういうムードをランスと経験する事が滅多に無いリアは嬉しそうだが、
逆にランスはリアのお守りで疲れた上に、いまだに機嫌が悪そうだった。

折角の歓楽街を全く楽しめず、邪魔されてばかり。

ケイブリスを考えれば このような時に女を買って遊ぶなど、
タダの我侭なのだが、何かストレスを発散させる方法はないかと考えるランス。

つまりへそ曲がりなランスは、リアの機嫌が良いと、自分は逆になるのだ。


「(むかむか、何だか無性にリアを苛めたくなってきたな)」

「お待ちどう様です」


≪コトンッ≫


「ありがと~!」

「へへッ。当店のオススメですよ」

「……(けどなあ……こいつは下手な苛め方しても喜ぶからな~)」

「ダーリンも飲みなよぉ、美味しいよぉ?」

「うむ」


仏頂面で、満面の笑みのリアからドリンクを受け取るランス。

それを飲みながら周囲を見渡していると、口付けしているだけでなく、体を弄り合うカップルも多い。

ランスとしては、あんな(彼にとって)低レベルな乳繰り合いをリアとする気は毛頭 無い。

……だが、リアを苛めるという事と照らし合わせてみると、
とっても良い事を思いついてしまったではないか。

よってランスは、カップルたちから、自分に寄り添うリアにへと視線を移した。


「ダーリン、どうしたのお?」

「……リア」

「なぁにぃ~?」

「俺様の"これ(ハイパー兵器)"をしゃぶれ。此処でだ」

「えっ!?」

「…………」

「ど、どうして急に……」

「良いから銜えろ、直ぐにだ。二度も言わすな」

「で、でも、お店の中だし、人が沢山居るし……」

「…………」


リアは青姦が初体験だったので、外でのセックスにはさほど抵抗が無い。

しかし、思いっきり人目につく場所でセックスなどした事がない。

それにより、いきなり"フェラチオをしろ"と言われ、驚きを隠せない。

リアは"冗談でしょ?"とランスに目で訴えるが、彼はそれ以上何も言わず、ドリンクのグラスに再び口をつけた。

"何を唐突に"と思われるのが当たり前のハナシだが、
ランスは歓楽街を横目に歩く事により、性欲が膨れ上がっていたのだ。


「……り、リア……頑張る……」

「おいっ、追加だ! 同じヤツを持って来いッ!」

『かしこまりました~!』

「ダーリン、ズボンのチャック……降ろすよぉ?」


≪ジィィ~~ッ≫


「…………」


≪ごそごそ≫


「く、銜えちゃうよぉ?」


ランスの右隣に座っていたリアは、周囲を気にしながら上半身を動かして、
彼のチャックを下ろすと、彼のハイパー兵器をとり出し、念のためもう一度ランスの顔を見上げる。

対して、ランスはまるでリアが居ないかのように明後日の方向を見ているので、
リアは理不尽さに少し涙目になりながら、ハイパー兵器を銜えた。

この時点では、デビルサマナーにちょっかいを出そうとする客は居ないので、
誰もランスとリアの行為に注目していないのが幸いだが……


≪……はむっ≫


「……っ……」

「んっ、んふぅっ……んちゅっ……」

「…………(くくくっ、こいつでも恥ずかしがる事もあるんだなあ)」

「お待たせしました~~……えぇぇッ!?」

「……なんだ? それを置いたらさっさと失せろ」

「ちゅぷっ……んんっ、ぷちゅっ……」

「はっ、はいっ……ご、ごゆっくりっ。」


リアのフェラチオが始まってから2分ほどで、ウェイターがドリンクを持ってくる。

直後、ウェイターはとんでもない事をしている客に驚きの声を上げるが、
ランスがリアの頭に手を添えながら睨み付けると、
そそくさとウェイターの男はカウンターの奥へと引っ込んでいった。

一方 驚きの声が上がった最中、リアの体がビクリと震え、強張っていたが、
ウェイターが引っ込むと少し安心したか、フェラチオのペースが戻った。

しかし、彼女の安心の束も間――――


「お、おいおい……あのカップル……」

「男が女にフェラチオさせてるぜ?」

「う、嘘でしょお? 何て大胆な事するのぉ?」

「それにしても、おっきぃ~……」


何時の間にか、ランスとリアはカップルたちの注目を受けており、店全体にヒソヒソ話が響いていた。

照明が暗い店なので最初は目立たなかったが、ウェイターの驚き声に気付いた者が話を広げたのだろう。

それに対してランスは不機嫌は何処へやらニヤニヤしているのだが、
リアはランスのハイパー兵器を銜えながら、目で何か哀願している。

"もう良いでしょ?"という意味であり、ランスも何となく判るが、中途半端で済ますつもりは無いらしい。


「こら休むな、俺様がイクまで続けろ」

「う、うぅぅ~っ……!」


≪ちゅぼっちゅぼっちゅぼっちゅぼっ≫


「……っ、そろそろ出るぞぉ、飲み込めよリアッ?」

「うぅっ、うぅぅうぅ~っ……!!」


半ばヤケクソになって、ハイパー兵器を銜える口を動かすリア。

その必死で我武者羅の行為にランスは快感を促進され――――


≪どぴゅ……っ! びゅくっ、びゅくっ!!≫


「あへっ……まだまだ、出るぞぉ~」

「んぐっ!? んンっ……んぐぐっ……ゴクッ、ごくっ……う"ぅっ……」


ランスはリアの髪を掴みながら、皇帝液を彼女の口に注ぎ込む。

リアは警戒こそしていたモノの、状況が状況なので、多少むせながら、皇帝液を飲みきるに至った。

だが、むせてしまった所為か、恥ずかしい所為か、完全に泣きが入っているリア。


「す、凄ぇ……あの娘、全部飲んだみたいだぜ?」

「良くやるよなぁ……」

「歓楽街の娼婦なのかしら?」


「ふん、全部飲んだようだな」

「……う、うん……リア、頑張ったよぉ……」

「うむ、褒めてやろう」

「じ……じゃあ、もう出ようよお」

「あぁ? 何を言っておるか、まだ入って15分も経ってないぞ?」

「えっ……」


乱れた髪を戻しながら、上半身を戻すリア。

どうやら視線の集中に居た堪れなくなったか、この店を早く出たいらしい。

しかし、ランスは射精が終えたハイパー兵器を未だにそそり立たせ、
それを仕舞おうともせずに、リアに向かって小声で言った。


「脱げ」

「……っ!?」


≪――――ぞくっ≫


当たり前だがランスはまだ、続きをさせる気のようだ。

彼としては、まだリアを苛め足りないし、他の客達に注目を浴び続けているしで、
この状況を引き続き楽しまずして どうすると言う心境である。

目立つのも気分が良いが、特にリアを苛めれる事が楽しいことこの上ない。


「(くくくっ、流石に驚いてやがるな? な~に、俺様にどれだけ惚れてるかを調べる、良い機会だ)」


マゾッ気の衝動がリアの体を突き抜け、体をゾクリと震わせる。

そんな瞳を見開いて顔を青くさせるリアの表情を見ながら、
ランスは鬼畜な笑みを浮かべて彼女の返答を待つのだった。

彼の言葉に、リアがどういう行動をとったかは……言わずとも明白だ。




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