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第二部:第05話【奴隷】 [鬼畜召喚師ランス]

情報収集に行ったマリスと別れたランスは、リアを苛め通していた。




『うおおおぉぉぉ~~っ!!!!』


「……っ……」

「おっ? 何だかんだで糸を引いてるではないか。嫌がってそうな割には、興奮してたんだな」


多くの視線から背を向けて、リアは衣服を脱いでいた。

一枚、一枚と衣服が落ち、全裸になった彼女の後姿が晒されると、後方から男達の低い歓声が沸きあがった。

それに構わず、ランスは顎でハイパー兵器を指すと、
リアは震えながらランスに近付いて彼の上に跨ろうと足を上げた。

直後、黒のソファーにランスの両足を挟んで両膝をつき、
彼と向かい合う形をとり、このまま挿入すればいわゆる"乗馬位"となる。

そんな彼女の股間は既に濡れており、本番をやってしまっても良さそうだ。

……だが、急にハイパー兵器に腰を落とそうとするかと思えたリアの動きが止まる。


「……ッ……」

「どうした?」

「ね、ねぇ……本当に、入れなきゃダメなのっ?」

「当たり前だ」

「リ、リア、二人っきりなら何されてもいいから……やっぱり……こんな、所でなんてっ……」

「うるさい、さっさとしろ。 離婚するぞ」

「……ッ!? そ、それは……嫌あぁッ……!」

「(ふむ。こいつ、この"単語"には弱かったのか)」

「くっ……うぅぅ……う、巧くッ、入らないのっ……」

「がははははは、それなら手伝ってやろう」


至近距離のランスに訴えるが、聞き入れてもらう事はできない。

しかも、リアが一番恐れている一言を言われ、
彼女は慌ててランスのハイパー兵器を自分の中にいれようと腰を落とそうとする。

……だが、先程とは違い更に動揺している最中では、
狙いは定まらず、ぬるりと挿入は避けられ、少しだけ客からの不満の声があがった。

その状況を飽きるまで見て、ようやくランスはリアのお尻を両手で掴むと――――


≪むにぃ≫


『おおおぉぉぉっ~~……』

「きゃあっ!! だ、ダーリンッ!?」

「やかましい、入れやすくしてやってるだけだ」


リアの尻を両手で開くように掴み、リアはランスの反対側にお尻を向けている格好なので、
ギャラリー達にリアの尻の穴の中は勿論 一番大事なところも晒される。

その事からの歓声と、食い入るような視線に、リアの顔がなお朱に染まった。

対してランスは口元を歪ませると、リアがたいしたリアクションも出来ないうちに、
花弁にハイパー兵器をあてがうと、彼女の中に押し込んだ!!


≪ずぶぶぶぶうっ!!≫


「ひあああぁぁぁん……っ!!」

「ッ!? お前、入れただけでイキやがったな?」


「うわぁ~、入っちまったよ……」

「凄ぇ声出してたな」

「マジ、ありえな~い!」


一気に根元までハイパー兵器を入れられた為、
ランスの両肩に両手を沿えながら、顎でエビのように天井を仰ぐリア。

それと同時に悲鳴のような大きな喘ぎ声が、店内全域に響き渡る。

リアはこんなに早く気をやるタイプではないが、それも仕方ない。

彼女は"こちら"ではランスに抱かれるのは、こなした回数は別として、今回でたったの二回目。

それがこんな大衆での露出プレイにもなると、普通なセックスでの快感を味わう事が出来る訳が無かった。

まだまだセックスそのものは始まったばかりだが、
肩で息をしながら顔を伏せて快感に耐えているリアに向かって、両手をお尻から離したランスは言った。


「ふ~っ、ふぅっ、ふぅぅ~っ……だ、ダーっ……リン……」

「ほれ、さっさと動け、そのままじゃ何時まで経っても晒し者だぞ?」

「っ……で、でも……今動いたらッリアッ……おかしくなっちゃ……」

「えぇい! さっさと動かんか~!!」


≪ばしんっ!!≫


「ひぁぁんっ!? ……ひ、ひっくっ……」


躊躇うリアのお尻を強めに叩き、彼女を屈服させるランス。

こうして、ようやく腰を動かし始めるリアだが、ランスの胸に縋りつき、顔を埋めながらの行為である。

そうでもしないと、恥ずかしくて死んでしまいそうだったからだ。

一方ランスは、必死で腰を動かすリアの頭に手を添えると、なかなか良い具合なのか髪を撫でてやる。


≪ずぷ、ずぷ、ずぷ、ずぷ≫


「うぉぉっ……良いぞ良いぞぉ、その調子だッ」

「ひっ……ひぅぅっ……ダーリン、ダーリンっ……!」


「は、始めたみたいよ……?」

「あんな必死に動かしちゃってまぁ……」

「ヤベッ……た、立って来ちまった」


――――未だに集まる視線。

注目されるランスとリアの大衆でのセックス。

ランスは、今迄殆ど遣った事の無かった本気で嫌がるリアを苛めれている楽しさで、
結構な充実感を味わいながら、彼女の乳房を弄りつつ快楽に身を委ねていた。


……


…………


……数十分後。

あの後、最初は客達に大注目を受けていたが、
次第に順応してきたのか、終盤はチラチラと横目で見られていただけで、食い入るような視線は無くなっていた。

で、ランスはというと、全裸のリアの体に二回皇帝液をぶっ掛け、
スッキリした表情で身形を正すとキャッシャーのウェイターと向かい合っていた。

一方リアは、フラフラになりながら先程の場所で、
ベトベトになった顔をそのまま、衣服をごそごそと身に着けている最中だった。

彼女は此処が六本木と言う事で、娼婦と勘違いされているが、
幸いサマナーの買った(と思われる)女に、客は余計な手を出そうとは思っていない。


「おい、いくらだ?」

「な、75マッカになります」

「ほぅ、安いな。釣りはいらん、取っておけ」


≪チャリーン≫


ドリンク三杯の合計は75マッカ。

1マッカは日本円で100円ほどであり、マリスの治療は50万円、M16ライフルは70万円、
悪魔合体でランスが受け取った報酬の合計は200万円にもなる。

そう考えれば、75マッカと言えど7500円と結構高い値段だ。

……だが、ランスは悪魔と戦う事ができ、資金の入手はかなり楽な部類の客だ。

実はデビルバスター(とサマナー)の人数は、正直なところそんなに多くは無い。

よって、たいして値段が高いと思わなかったので、ランスは100マッカをカウンターの上に投げた。

この行動により少しは安心したか、茶髪の若いウェイターは転がる硬貨を掴むと、恐る恐るランスに言う。


「毎度あ、ありがとうございます……あの~……」

「なんだ?」

「あの女の子……何処で買ったんですか?」

「買っただと?」

「はい……あんな上玉、今まで見たこと無かったんで……」

「上玉かどうかは知らんが、あいつは買って無いぞ?」

「えぇッ!?」

「あれはな、ただの奴――――(ハッ)」


ウェイターの質問に、ランスは言おうとした言葉を飲み込んだ。

自然と出てきた、二文字の単語……それはリアの事ではない。

彼女を苛めている最中、何時の間にかリアを、"あの女性"と照らし合わせてしまったのかもしれない。


「ど……どうしたんすか?」

「いや、なんでもねえ……とにかく、あいつはデビルバスターで俺様の女だ」

「ええぇぇえ~っ!?」

「だから娼婦の連中と一緒にするんじゃねえ……殺すぞ」

「そ、そうなんすか……すいません~」

「まぁいい、今度は敷居でも作って置けよ?
 俺様のセックスを見たやつには、本来なら鑑賞料で金か命を貰うんだからな」

「だ、ダーリン待ってぇ~……」

「ふん、遅いぞ……そんな訳だ、邪魔したな」

「ま、毎度~!」

「(チッ。折角リアを苛めれてスッキリしたかと思ったんだが、なんだかなあ。後味悪くなっちまったぜ……)」


……


…………


……十数分後。

六本木ターミナルの前までやってきた二人は、まだ来ていないマリスを待っている。

この時、ランスは立っており、リアはしゃがんで背を壁に預けている。

そんな体育座りをする彼女の視線は……先程からランスに集中していた。


「待ち合わせの時間にゃあ、もうちょっとあるな」

「う~……」

「何だ、その恨みがましい目は」

「だって……"あんな所"でエッチするなんて……するなんて……」

「がははははは、そんな事を言っても説得力ないだろうが。見られて感じまくってただろうに」

「う、うぅぅ~~っ……」


≪ぼろぼろぼろ……≫


「むっ……な、何故に泣く?」

「い、嫌だったんだもんっ……すっごく、嫌だったんだもぉん……ぐすっ……でも、リアッ……
ダーリンの事、大好きッだからっ、人が見ててもっ、エッチしたんだもんっ……ひっくっ、えっく……」

「(う~む、ひょっとして"やり過ぎた"ってヤツか?)」

「ひんっ、ひん……ダーリンの、ばかぁぁ~……」


察しの通り、リアは人前で抱かれるのは相当嫌だったが、彼に言われたので仕方なくセックスをしたのである。

早い話……異性ではタダ一人、ランスに裸体を見られるのは良いが、
他の男には決して大事なところを見られたくは無かったのだ。

2年前くらいの彼女であればここまで効果は無かっただろうが、
リアも、もうすぐ21歳になるので、恥じらう心があったようだ。

よって露出プレイを思い出してリアは膝に顔を埋めて再び泣き出してしまうが、
ランスとしてはリアを本気で苛めるにはこれでもヌルいのではと考えていたので、
意外な反応に、頭を掻きながら懐(ふところ)をあさった。


「(ちっ……)」


≪ぽいっ≫


「あっ……」

「何時までも泣いてんじゃねぇ、それで顔でも拭け。さっきの店からくすねて来たやつだ」

「だ、ダーリン、ひょっとしてリアの為に~……」

「勘違いするな、お前を泣かしたままだと、マリスに何言われるかわからんしな……
 わかったら、さっさと泣き止め、そうせんと本当に離婚だぞ!」

「っ!? うっ、うん……リア、泣かない……」


ランスが投げたのは、白いお絞り。何処の店にでも出される、何も変哲の無いものだ。

それに微かな優しさを感じたリアは、少しだけ"ふにゃ"っと顔を綻(ほころ)ばせると、
ゴシゴシと涙と鼻水……そして僅かに残った皇帝液を拭くのだった。


「うむ、お前に泣かれると調子が狂う」

「えへへ……ねぇ、もうあんなエッチはしないよねえ?」

「うるさい、決めるのは俺様だ」

「ぶぅぅ……(でも、癖になっちゃったらどうしよお……)」


――――こうしてこの10分後、マリスがターミナルにやってくる事になるのである。




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