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第一部:第07話【初めての仲魔】 [鬼畜召喚師ランス]



『お前は、ワシの命が狙いなのか?』

「おう、その通りだぜ! 死にたくなかったら俺様の仲魔に――――」

『……何て奴だ! これをやるから放って置いてくれ!』

「なに!? おいこら、何処へ行く!?」


新宿地下街を出て仲魔になる悪魔を探す事、数十分。

属性が合う『妖鬼モムノフ』が出現し、早速交渉をはじめようとしたランスだったが、
いきなりセラミックソードを向けて喧嘩腰で話し始めた為、
『妖鬼モムノフ』は100マッカを地面に投げるとさっさと逃げていってしまった。

悪魔ではあっても、このような人型タイプであれば、命は無駄にしたくないようだ。

相手がサマナーで強気となれば、関わりにならない方が身の為でもある。


「逃げちゃったよぉ?」

「くそ、逃げ足の速い奴だな……」

「ランス王、いきなり威圧的では相手が警戒するだけです」

「だとしたらどうしろと言うのだ!」

「そうですね……今度は"友好的"に言ってみるのはどうでしょうか?」

「ふん、そうしてやるか……仲魔にならなかったら斬るがな」


地面のマッカを拾いながら、マリスの助言に耳を傾けるランス。

元の世界でも彼女の言う事は役に立ったので、参考にするようだ。

また、そろそろ本気で悪魔を仲魔にせねば、話が進まない。


……


…………


『貴様、私は高貴なる一族、堕天使のベリスなるぞ!
 人間如きが気安く話し掛けてくるでない!!』

「(やはりムカつくなヘルマンに居たな、こんな奴……だが落ち付け……)
 残念だが、俺様はお前に話す相応の力を持った人間だぞ!?」

『何ぃ? ならば、話があるなら此方へ来るのだ!』

「言われなくても行くぞ」

「(ダーリン、危ないよぉ?)」

「(ランス王、ご注意を)」

「(なに、仕掛けてきやがったらぶっ殺せば良いだけだ)」


……戦う事、更に3時間。

出た悪魔はダーク属性やLAW属性ばかりだったが、再び属性の合う悪魔が出現する。

この時点でランスのレベルは28になっており、新宿周辺の悪魔に対しては、なかなか余裕が出てきた。

その為か、再び現れた『堕天使ベリス』に対し、武器を抜かずに近寄るランス。

一方 彼が心配か、ランスの背中をハラハラして眺めているリア。

そして垂らしている右手で握る"ガン"に力を込めるマリスであったが。


『……その度胸に免じて、話を聞いてやろう』

「なら話は早いな、1000マッカ出す、俺様の仲魔になれ!」

『ふむ……良いだろう。 だが、マッカはいらぬ』

「なにッ? 本当だな!?」

『サマナーよ、教えておいてやろう。悪魔の中には……私のように"合体"に興味がある者も存在するのだ』

「ほう」

『(それに、この人間には……魔界での力を失った私では勝てる気がしなかった……)』

「わ~い! マリスぅ、悪魔が仲魔になったよぉ!」

「良かったですね……リア様」

「ふんッ、大げさに喜びやがって」


堕天使ベリスは、ランスに近寄らせる事によって、力量を測っていた。

怖気づけばそれまで、近寄っても力を感じなければ殺す。

だが、どちらでもなく、ランスが近寄ってくる時の威圧感で、自分が及ぶ相手では無いと一瞬で見抜いたのである。

また、このベリスはサマナーが行う悪魔合体にも興味があった。

こうして『堕天使ベリス』がランスの部下になり、リアは大げさに喜ぶ。

一方、呆れ顔のランスだが、彼も心の中で小躍りしたい気分になっていた。

苦労の末、はじめて悪魔が"仲魔"になってくれたのだから。

そんな"仲魔"となったベリスは、甲冑の奥で光る瞳を淡く光らせると、
仲魔になる悪魔にとってはお決まりな台詞を言うのであった。


『私は堕天使ベリス……今後ともよろしく。』


……


…………


はじめて悪魔が仲魔になって調子に乗ったランス一行(マリス除く)。

暗くなるまでそんなに時間は残っていないが、その少ない時間を腕試しとして、行動範囲を少し広げた。

堕天使ベリスは、マグネタイトと言う召喚で必要な燃料の様なモノが足りない為、
とりあえずアームターミナルの中に入れておいた。

さて置き。暫く移動していると……出現する悪魔に"人間"も含まれてきた。


「あなた方、メシア教に入りませんか?」

「いらん!」

「そんな、メシア教に入れば神の救いの手が差し伸べられますよ!」

「いらんいらん!! 俺様が信じるのは自分だけだ!!」

「なにッ!? もしや貴様ら、ガイア教徒の手先か!?」

「ほぇ?」

「……死ぬが良い!!」

「勝手な事言ってんじゃねぇぇ!!」

「ですが、持つものは持っていそうですね」

「マリス、お前黒くなったな……」

「元からです」


……


…………


「お前ら、ガイアのもんか?」

「いや、違うぞ」

「ならこんな所で何してんだ?」

「"仲魔"探しだ」

「仲間が欲しいのかよッ?」

「うせろ、人間の"仲間"なんぞいらん」

「アァ!? さてはテメェら、メシア教徒だな!?」

「えぇっ、リア達違……」

「……死ねえ!!」

「ふざけやがって、相手を見てから喧嘩を売りやがれ!!」

「完全に、宗教に毒されているようですね」


それは、メシア教徒とガイア教徒の一団。

彼らはランスたちにあしらわれると、敵と判断して武器を手に襲い掛かる。

マリスの言うよう『メシア教徒・狂信者』や、『ガイア教徒・特攻隊』は、
信じるものを信仰するあまり、常識的な判断力が欠落してしまっている信者である。

そんな下っ端である、中途半端な人間達が強い筈もなく、
彼らはランスに斬り捨てられて散っていった。

ちなみに、人間も"悪魔合体"の材料にする事ができ、
その結果は"ランダム"になるので一見便利そうなのだが、
悪魔はともかく、自分から材料になろうとする人間は滅多に居ない。


「けっ、群れてるだけで悪魔と比べりゃ大したこと無かったか」

「己の力を過信しすぎていましたね」

「(ごそごそ)……おっ? その割にはマッカを割と持ってるな」

「新宿の人がいうには、メシアやガイアの人は、それを後ろ盾にして人からお金を集めてるみたいだよ?」

「がははは、そんな狂った連中の金は没収だ!」


……


…………


≪――――ガシャンッ≫


「ちっ……今度はロボットなんかが出てきやがったか」

「会話は全くの無意味でしたね」

「リアもう、疲れたよぉ~」

「そうだな……ならば明日はこの辺りの探索を続けるか……おぉっ!?」


人間達の次にランスたちの前に出現したのは"マシン"。

話しかけても効果が無く、問答無用で襲い掛かってくる厄介な代物だ。

物理攻撃だけではしんどい相手なので、三人の疲労が蓄積される。

よって、溜息交じりで引き返そうとしたランスの視界に入ったのは――――


『うふふふふっ……』

「うおおおぉぉぉっ!! 可愛い悪魔はっけーーーーん!!」


≪だだだだだだっ!≫


「ちょっ……ダーリぃンっ!!」

「ああいう悪魔は予想はしていましたが……(ランス王……思った通りの行動過ぎます)」


透き通るような白い肌に、白い衣を着て微笑む女性悪魔。種族は妖精、名前はエルフ。

彼女は、微笑みながら立っており、ランスは興奮して走り出す。

ランスの世界には"女の子モンスター"というものがおり、こちらにも女性悪魔が居ないものかと考えていたが、
今はじめて遭遇できた事により、理性を抑え切れなかった。

どのような悪魔なのか、思えばカラーに似てるじゃないか、
そして肝心な属性は何なのか……それら全て、お構い無しである。

対して美少女であるエルフは、近寄ってきたランスに微笑みかける。


『ちょっとだけなら、遊んであげるわよ?』

「おぉ、そうかそうか! だったら俺様が朝まで遊んでやろう!」

『う~ん、こっち来てぇ~ん♪』

「言われなくとも俺様は止まらないぜぇ!!」

『ふんっ! 馬鹿な奴ぅぅ、きゃーははははは!!』

「何ぃぃ!?」

『でやーー!!』


だが……勿論、罠である。

多少警戒心があれば気付かない筈も無いのだが、ランスは気付かなかった。

対してエルフは雷の魔力を片手に集めると、ランスに『ジオンガ』を放った!


≪ドガァァァンッ!!≫


「ぐわああぁぁっ!!」

「だ、ダーリンッ!?」

「ランス王!!」

『ふん、見掛け倒しね! 今度はどっちが感電させられたいの!?』


直撃を食らい、致命傷では無さそうだが、ランスはブスブスと体を焦がしながら、
その場で"感電"させられると、その場に崩れて右膝をついた。

見かけよりも高い魔力を秘めていたエルフに、リアとマリスは咄嗟に銃を構えて戦闘態勢に入る。

エルフも、電撃の魔力をパチパチと手に集めながら身構えるが――――


≪がしっ!!≫


「つ~かまえたぁ!!」

『えっ!? きゃああぁぁ! なんでよ、黒焦げにした筈なのに!!』

「この程度で英雄の俺様がくたばるか! ちっとも効かんぞッ!」

『は、放してっ……放しなさいよぉ!!』

「そうはいかんなぁ! サマナー様に楯突いたのだ、たっぷりお仕置きしてやる!!」

『いっ……嫌ああああぁぁぁぁ~~~~っ!!!!』

「がははははははは!!」


魔法を食らって動けなかった筈のランスが、背後からエルフをがっしり掴んだ。(勿論両胸を鷲掴み)

本当なら気絶してもおかしくなく、彼の上着は所々ボロボロになっているが、
何を隠そう、体の痛みより、女性悪魔に対する多大な"性欲"が、完全に前者を抑制してしまっているのだ!

ランスは、痛みを性欲と根性で我慢しながら、エルフに襲い掛かり、
彼女の絶叫が、東京の空にへと、響いていった。


……


…………


≪ずばずばずばずば≫


『ひっ、ひぃっ……ひぃぃっ……』

「あへあへ、これが悪魔か! 素晴らしいッ締まりだな!」

『いやっ、もう嫌ぁぁっ……ゆっ……許して、えぇっ……
 初めてッだったのにい……するなら……もっと、優しくっ、してよぉぉっ……』


……数十分後。

ランスに襲われ、朽ち果てたビルの中にまで連れ込まれたエルフ。

彼女は、スカートをたくし上げられると、地面に両手両膝をつかされ、
背後位の格好でランスに後ろからハイパー兵器をぶち込まれていた。

さっきまでの威勢は何処に行ったのやら、既に泣きが入っている。

対して、どさくさに紛れてエルフの属性を調べていたランスは、容赦なくガンガンと腰を突き動かしながら言う。


「(こいつは、NEUTRAL-NEUTRALだったな……)
 そうか? 十分寛大な仕置きだと思うが……許して欲しいかぁ? だったら俺様に仕えろ!」

『どっ、どうしてッ……うぅぅっ、人間……なんかにぃっ!』

「おらおらおらおら! 返事はどうしたぁァ!?」


≪ずぐっ……ずぐっ!!≫


『ひぎっ!! ……あぅぅッ……わかりッましたぁ!
 な、仲魔に……仲魔に、なりますぅぅ……! だから許してぇ!』

「がははははは、そうかそうかっ! ならば、ご主人様の愛を受け取るが良いッ!!」


≪どっぴゅ~~!!≫


『うあああぁぁぁっ!? 熱いよおおおぉぉぉ~~っ!!』

「ぜぇぜぇっ……えがった。」


……


…………


「なによなによぉ~! 何でリア、除け者にされちゃうのぉ~!?
 リアも混ざる~、混ざる混ざる混ざる~~っ!!」

「いけません、何時悪魔が出現するかわかりませんし、ここは二人でしっかりと見張っておきましょう」

「なによマリスまでっ、ぶぅ~~~~っ!!」

「(とにかく、結果オーライ……といった所かしら?)」


一方、リアとマリス。

二人は"俺様は交渉してくるから外を見張ってろ"とランスに言われた上、
"絶対に中には入ってくるな"と釘を刺されてしまい、仕方なく言われたとおり、外で待機していた。

リアは普通に交渉を行っているなど最初から思っておらず、不満丸出し。
(エルフの悲痛な叫びが聞こえてくるので当たり前だが)

そんなリアをマリスは優しく説得し、進入を思いとどまらせていた。

だがマリスは、わめきまくるリアを宥(なだ)めながら、
ランスは間違いなくエルフを仲魔にしてしまうだろうと、何となく断定していた。


……


…………


「よ~し、悪魔ちゃんを"こいつ"の中に入れてやって……っと」

『……(こんな、屈辱……)』


≪ピッ、ピピピッ!≫


「うし、これで合体ってヤツができるぜ! がっはっはっはっ!!」

『(合体、か……でも、今までずっと一人で……退屈だったし……彼、
 結構……格好、良いし……可愛いって……ッ……うん、これで……良かった……か、も……)』


≪シュウウゥゥ~~……≫


マリスの予想したとおり、仲魔になると"言わされた"エルフ。

放心状態でその場に倒れている彼女は、薄れる意識の中、ランスの馬鹿笑いを聞きながら、
ハンドヘルドコンピュータの中に吸い込まれていくのだった。

こうして……合体の最低条件である二体の悪魔が、ランスの仲魔となったのである。




○ステータス(初期値ALL5+ボーナス18+Lv=合計)
ランスLv28 力20 知10 魔6  体16 速16 運8
リ アLv22 力8  知14 魔20 体8  速10 運10
マリスLv24 力12 知20 魔12 体10 速12 運6
残金:5500マッカ




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