海外の業者がコメントを荒らす為、ブログユーザー以外の書き込みを禁止しました。
管理人に用事がおありの方は、[Pixiv]や[Twitter]で直接連絡をお願い致します。
また、2021/10/27に旧HPのリンクが再び変更されました。[こちら]から飛んで下さい。
管理人に用事がおありの方は、[Pixiv]や[Twitter]で直接連絡をお願い致します。
また、2021/10/27に旧HPのリンクが再び変更されました。[こちら]から飛んで下さい。
第一部:第01話【異世界の3人】 [鬼畜召喚師ランス]
≪ブシュゥゥッ!!≫
「くぅっ……」
「マリス、マリス! しっかりして!!」
コカトライスはそのままマリスの肩の肉を食らおうとした。
だが、マリスは一瞬の隙を突いて腹を蹴るとクチバシから離れ、リアの横まで下がった。
右手で左肩を抑えて、息をつきながら言う。
「り、リア様、お逃げください……」
「そんな……ゆ、夢なんだから大丈夫でしょ?」
「恐らくこれは、夢では無いと思います……この痛み、この血の匂い……間違いなく現実かと……」
「う、嘘――――」
「(魔法を使えず、しかも丸腰……でも……!)」
未だに現実かと思えないリアだったが、指の間から噴出すマリスの血。
その血液を頬に受け、リアは顔を青くした。
どうやら逃ようとするまで頭が回っていないらしい。
かといって、どっちにしろマリスは時間を稼ごうと前に出ようとするが……
≪ビキッ、ビキビキッ……≫
「か、肩が……」
「マリス~ッ!?」
なんと、マリスの左肩が徐々に石化し始めていたのだ。
傷口から掛けて石化が始まり、血は止まったものの動かない。
……神聖分解波は出ない、噛まれただけで石化してしまう。
マリスでさえ予想しなかった事の連続……左肩以外は動くのだが、
想像を絶する現実に、彼女は自分の左肩に目を向けたままになってしまっていた。
その硬直をコカトライスは見逃さす、飛び掛ってくる!!
『グオオオーーッ!!!!』
「(こ、こんな所で……!?)」
「きゃああああ!!」
≪――――ドシュウウゥゥッ!!!!≫
対して、避け様が無くその場で身構えるだけのマリス。
絶体絶命に、諦めて目を伏せるリア。
その直後に何かが突き刺さる音が一帯に響いた!!
『ギャアアアァァッ!!?』
「ら、ランス王……」
「ダーリンッ!!」
「がははははは! ヒーロー参上!!」
その音は、クチバシが刺さった音ではなく、ランスのソードの音。
コカトライスの後ろから走ってきたランスが、
対象の背中に剣を突き刺し、腹部を完全に貫いていた。
左右から来たのであれば気付いたかもしれないが、
コカトライスの大きな図体が邪魔して、見えなかったようだ。
致命傷を食らったコカトライスは、一回吐血すると、そのままどうと倒れた。
一方 剣を抜いてニヤリと笑うランスに、リアは走って抱き付く。
≪ズウウゥゥン……≫
「きゃ~ん、ダーリン格好良い~ッ!」
「うぉっと……マリス、大丈夫か?」
「はい、なんとか……助かりました」
「リアの喧し声が聞こえてなかったら、結構ヤバいところだったな」
「マリスぅ、石になっちゃった所、大丈夫~?」
「どうやら、左肩の部分だけが石になるだけで済んだようです、
ですが、心臓まで届いていたら命を落としていたのかもしれません……」
コカトライスは、体の一部を石化して弱らせ、相手を殺害する。
それだけでも恐ろしいが、"石化睨み"で体全体を石にする、
"邪龍バジリスク"や"鬼女ゴルゴン"に当たらなかっただけ、
この世界のことをまったく知らないマリスにとっては運が良かっただろう。
かといって、こんな状態では、まともに戦えない。
ランスはリアを剥がすと、マリスに近寄って左肩に手を当てた。
「痛みはあるか?」
「石になった所為かありません……全く動きませんが……」
「まったく、ワーグの奴……まぁ、夢から覚めるまでの辛抱だ」
「ですがランス王、夢にしては出来すぎていませんか?」
「そうだよぉ、この血、暖かかったし……夢なんておかしいよ」
「何ぃ、確かにワーグに眠らされたじゃねえか」
彼女の肩は、見事にカチコチである。
困った事だが、傷が深かったので、出血が止められている事が幸いだろうか。
それをランスは夢だからと軽く流そうとするが、リアとマリスは現実を主張。
対してランスは二人みたいに襲われてはおらず、危機感が無く信じない。
だが……マリスの次の一言で考えを改める事になる。
「ひょっとすると……此処は異世界ではありませんか?」
「異世界だと?」
「はい、健太郎殿と美樹殿がやって来たように、我々も第三者によって、
"この世界"に飛ばされてしまったのではないでしょうか?」
「ダーリン、そうだよ、きっとそうだよ~!」
「そんな馬鹿な……いや、待てよ?」
夢繋がりで、ランスは香姫とのセックスの後みた夢を思い出した。
巨大な鯨……世界が荒れることを眺めて喜ぶ自分勝手な神。
ひょっとすると、"奴"が自分達をこの世界に飛ばしたのではないだろうか?
世界統一が間近に迫り、"奴"の娯楽がなくなってしまうから?
「だ、ダーリン?」
「……確かに、お前の言うとおり、これが現実って可能性もあるな」
「しかし、何故でしょうか?」
「多分だがな、どっかの暇な馬鹿野郎が、面白いもん見たさでやったんだと思うぞ?」
ランスの考えは、ズバリ的中である。
ワーグの所為だと思われたが、実は彼女は失敗はしていなかった。
ルドラサウムは、肉体はコピーしてペーストし、魂をこの肉体に移したのだ。
よって、肉体は元の世界に残っているが、意識は"こちら"にある。
つまり、"こちら"で命を失えば、永遠に元の世界で目を覚ます事はなくなる。
「ど、どう言う事ぉ?」
「……ま、とにかく簡単に此処でおっ死ぬ訳にゃいかなくなったって事だ。
夢なら夢で良いんだが、とりあえず動くぞ?」
「わかりました、もしかすれば人が居るかもしれません」
「そうだね、マリスの肩、治さなくっちゃ……」
「ありがとうございます、リア様……」
この世界がどんな場所かは今は全く判らないが、動かなくては始まらない。
三人は、何か手がかりを探す為、北の方へと歩みを進める。
磁石も何も無いので方角は不明だが、偶然進んでいるのが北なのだ。
「モンスターが出る様だが、この剣はなかなか切れ味が良いからな、俺様の華麗な必殺技にも耐えれそうだ」
「いえランス王、気をつけてください。"この世界"では元の世界の技能が一切使えないようです」
「なにぃ?」
「そうだよぉ、マリスが魔法使おうとしたのに、何も出なかったんだからっ!」
「(うむむ、そうなのか? あんなモンスターが出てきたら、
ランスアタックでさっさと始末するところだったんだが……)
……ふん、大丈夫だ、苦労するのは魔法を使えんお前みたいな奴だけだろ」
「さっすがダーリン! 素敵ぃ!」
ここでランスは必殺技が使えない事を告げられ、内心焦る。
確かに一発でコカトライスを倒したが、完全に不意打ちだった。
まともに対峙すれば多少苦労しそうなので、ランスアタックを使うつもりだったのだ。
ランスは多くのモンスターの雑学を持っているが、
全く知らない世界での"悪魔"の知識はなく、必殺技が使えないとなると厳しい。
よってランスとマリスは気を引き締めるが、リアは不思議と期待があった。
この世界に飛ばされてきたのは、大好きなランスとマリスだけ。
「くっつくなっ……ったく、お前は緊張感が無いな」
「リア様、もしまた私があのような事になれば、構わず逃げてください」
「大丈夫よぉ、今度はちゃんとやってくれるでしょ? 何て言ったってダーリンがいるんだもぉん! ねっ?」
「う、うむ……無敵な俺様が居れば逃走などありえん」
「ところでさぁ、ダーリンのそのヘンテコな"機械"って、何なの?」
「あぁ、これか? 知らん」
ランスとマリスと逆にやけに明るいリアが指差すのは、ランスの左腕の機械。
彼は全くわからないが、これは"悪魔召喚プログラム"が内蔵されている、
ハンドヘルドコンピュータ……"アームターミナル"である。
使い方が判れば心強い事限りないが、今は気に掛けない事にしたようだ。
「マリア殿の研究室でも見た事のないものですね」
「それなんか、よく見たらカッコイイね~」
「そう言うお前らの腰にあるもんは何なんだ?」
「気付いた時からあったのですが……わかりません」
「うん、重いだけでよくわかんないよ~」
「だったら捨てちまえよ、邪魔だろ?」
「ですが、ランス王の武器のように、何かに使えるかもしれません。
ここは持っていた方が良いのではないかと……」
「だったらお前の好きにするが良い」
会話しながら辺りを見回し、歩く三人。
その内容はお互いの服装や装備の事のようだが、答えは出ない。
後に判るのではあるが、この段階では、ただ重いだけの役立たずであった。
=コメント=
ランスの大陸で使っていた必殺技や魔法は一切こちらでは使えません。
才能限界もなければ、スキルもなく、女神転生の設定が適用されます。
つまり、リアも悪魔を倒せばレベルアップをガンガンすると言う事です。
目次
「くぅっ……」
「マリス、マリス! しっかりして!!」
コカトライスはそのままマリスの肩の肉を食らおうとした。
だが、マリスは一瞬の隙を突いて腹を蹴るとクチバシから離れ、リアの横まで下がった。
右手で左肩を抑えて、息をつきながら言う。
「り、リア様、お逃げください……」
「そんな……ゆ、夢なんだから大丈夫でしょ?」
「恐らくこれは、夢では無いと思います……この痛み、この血の匂い……間違いなく現実かと……」
「う、嘘――――」
「(魔法を使えず、しかも丸腰……でも……!)」
未だに現実かと思えないリアだったが、指の間から噴出すマリスの血。
その血液を頬に受け、リアは顔を青くした。
どうやら逃ようとするまで頭が回っていないらしい。
かといって、どっちにしろマリスは時間を稼ごうと前に出ようとするが……
≪ビキッ、ビキビキッ……≫
「か、肩が……」
「マリス~ッ!?」
なんと、マリスの左肩が徐々に石化し始めていたのだ。
傷口から掛けて石化が始まり、血は止まったものの動かない。
……神聖分解波は出ない、噛まれただけで石化してしまう。
マリスでさえ予想しなかった事の連続……左肩以外は動くのだが、
想像を絶する現実に、彼女は自分の左肩に目を向けたままになってしまっていた。
その硬直をコカトライスは見逃さす、飛び掛ってくる!!
『グオオオーーッ!!!!』
「(こ、こんな所で……!?)」
「きゃああああ!!」
≪――――ドシュウウゥゥッ!!!!≫
対して、避け様が無くその場で身構えるだけのマリス。
絶体絶命に、諦めて目を伏せるリア。
その直後に何かが突き刺さる音が一帯に響いた!!
『ギャアアアァァッ!!?』
「ら、ランス王……」
「ダーリンッ!!」
「がははははは! ヒーロー参上!!」
その音は、クチバシが刺さった音ではなく、ランスのソードの音。
コカトライスの後ろから走ってきたランスが、
対象の背中に剣を突き刺し、腹部を完全に貫いていた。
左右から来たのであれば気付いたかもしれないが、
コカトライスの大きな図体が邪魔して、見えなかったようだ。
致命傷を食らったコカトライスは、一回吐血すると、そのままどうと倒れた。
一方 剣を抜いてニヤリと笑うランスに、リアは走って抱き付く。
≪ズウウゥゥン……≫
「きゃ~ん、ダーリン格好良い~ッ!」
「うぉっと……マリス、大丈夫か?」
「はい、なんとか……助かりました」
「リアの喧し声が聞こえてなかったら、結構ヤバいところだったな」
「マリスぅ、石になっちゃった所、大丈夫~?」
「どうやら、左肩の部分だけが石になるだけで済んだようです、
ですが、心臓まで届いていたら命を落としていたのかもしれません……」
コカトライスは、体の一部を石化して弱らせ、相手を殺害する。
それだけでも恐ろしいが、"石化睨み"で体全体を石にする、
"邪龍バジリスク"や"鬼女ゴルゴン"に当たらなかっただけ、
この世界のことをまったく知らないマリスにとっては運が良かっただろう。
かといって、こんな状態では、まともに戦えない。
ランスはリアを剥がすと、マリスに近寄って左肩に手を当てた。
「痛みはあるか?」
「石になった所為かありません……全く動きませんが……」
「まったく、ワーグの奴……まぁ、夢から覚めるまでの辛抱だ」
「ですがランス王、夢にしては出来すぎていませんか?」
「そうだよぉ、この血、暖かかったし……夢なんておかしいよ」
「何ぃ、確かにワーグに眠らされたじゃねえか」
彼女の肩は、見事にカチコチである。
困った事だが、傷が深かったので、出血が止められている事が幸いだろうか。
それをランスは夢だからと軽く流そうとするが、リアとマリスは現実を主張。
対してランスは二人みたいに襲われてはおらず、危機感が無く信じない。
だが……マリスの次の一言で考えを改める事になる。
「ひょっとすると……此処は異世界ではありませんか?」
「異世界だと?」
「はい、健太郎殿と美樹殿がやって来たように、我々も第三者によって、
"この世界"に飛ばされてしまったのではないでしょうか?」
「ダーリン、そうだよ、きっとそうだよ~!」
「そんな馬鹿な……いや、待てよ?」
夢繋がりで、ランスは香姫とのセックスの後みた夢を思い出した。
巨大な鯨……世界が荒れることを眺めて喜ぶ自分勝手な神。
ひょっとすると、"奴"が自分達をこの世界に飛ばしたのではないだろうか?
世界統一が間近に迫り、"奴"の娯楽がなくなってしまうから?
「だ、ダーリン?」
「……確かに、お前の言うとおり、これが現実って可能性もあるな」
「しかし、何故でしょうか?」
「多分だがな、どっかの暇な馬鹿野郎が、面白いもん見たさでやったんだと思うぞ?」
ランスの考えは、ズバリ的中である。
ワーグの所為だと思われたが、実は彼女は失敗はしていなかった。
ルドラサウムは、肉体はコピーしてペーストし、魂をこの肉体に移したのだ。
よって、肉体は元の世界に残っているが、意識は"こちら"にある。
つまり、"こちら"で命を失えば、永遠に元の世界で目を覚ます事はなくなる。
「ど、どう言う事ぉ?」
「……ま、とにかく簡単に此処でおっ死ぬ訳にゃいかなくなったって事だ。
夢なら夢で良いんだが、とりあえず動くぞ?」
「わかりました、もしかすれば人が居るかもしれません」
「そうだね、マリスの肩、治さなくっちゃ……」
「ありがとうございます、リア様……」
この世界がどんな場所かは今は全く判らないが、動かなくては始まらない。
三人は、何か手がかりを探す為、北の方へと歩みを進める。
磁石も何も無いので方角は不明だが、偶然進んでいるのが北なのだ。
「モンスターが出る様だが、この剣はなかなか切れ味が良いからな、俺様の華麗な必殺技にも耐えれそうだ」
「いえランス王、気をつけてください。"この世界"では元の世界の技能が一切使えないようです」
「なにぃ?」
「そうだよぉ、マリスが魔法使おうとしたのに、何も出なかったんだからっ!」
「(うむむ、そうなのか? あんなモンスターが出てきたら、
ランスアタックでさっさと始末するところだったんだが……)
……ふん、大丈夫だ、苦労するのは魔法を使えんお前みたいな奴だけだろ」
「さっすがダーリン! 素敵ぃ!」
ここでランスは必殺技が使えない事を告げられ、内心焦る。
確かに一発でコカトライスを倒したが、完全に不意打ちだった。
まともに対峙すれば多少苦労しそうなので、ランスアタックを使うつもりだったのだ。
ランスは多くのモンスターの雑学を持っているが、
全く知らない世界での"悪魔"の知識はなく、必殺技が使えないとなると厳しい。
よってランスとマリスは気を引き締めるが、リアは不思議と期待があった。
この世界に飛ばされてきたのは、大好きなランスとマリスだけ。
「くっつくなっ……ったく、お前は緊張感が無いな」
「リア様、もしまた私があのような事になれば、構わず逃げてください」
「大丈夫よぉ、今度はちゃんとやってくれるでしょ? 何て言ったってダーリンがいるんだもぉん! ねっ?」
「う、うむ……無敵な俺様が居れば逃走などありえん」
「ところでさぁ、ダーリンのそのヘンテコな"機械"って、何なの?」
「あぁ、これか? 知らん」
ランスとマリスと逆にやけに明るいリアが指差すのは、ランスの左腕の機械。
彼は全くわからないが、これは"悪魔召喚プログラム"が内蔵されている、
ハンドヘルドコンピュータ……"アームターミナル"である。
使い方が判れば心強い事限りないが、今は気に掛けない事にしたようだ。
「マリア殿の研究室でも見た事のないものですね」
「それなんか、よく見たらカッコイイね~」
「そう言うお前らの腰にあるもんは何なんだ?」
「気付いた時からあったのですが……わかりません」
「うん、重いだけでよくわかんないよ~」
「だったら捨てちまえよ、邪魔だろ?」
「ですが、ランス王の武器のように、何かに使えるかもしれません。
ここは持っていた方が良いのではないかと……」
「だったらお前の好きにするが良い」
会話しながら辺りを見回し、歩く三人。
その内容はお互いの服装や装備の事のようだが、答えは出ない。
後に判るのではあるが、この段階では、ただ重いだけの役立たずであった。
=コメント=
ランスの大陸で使っていた必殺技や魔法は一切こちらでは使えません。
才能限界もなければ、スキルもなく、女神転生の設定が適用されます。
つまり、リアも悪魔を倒せばレベルアップをガンガンすると言う事です。
目次
コメント 0