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「おぉ! きたきたきたぁ! "鬼女アルケニー"だぜッ!」
「では、目標の悪魔ですか」
「そうなるな……お~い! 降りてきやがれぇ~!」
「交渉しようよぉ~っ!」
『("また"来たの? あたしを殺そうとするデビルバスターが……)』
何やら剣を振りかざして叫んでいるランスたちを見下ろし、アルケニーはつまらなそうな表情で考える。
そんな彼女の顔はまだ18歳程度の少女であるのに、
彼女が意識せずとも体全体から人ならざる威圧感がこみ上げている。
まだ、遠くに居るランス達は気付いていないが……
『(このまま無視しても良いんだけどね、少しは楽しませてくれるかしら?)』
≪バッ……――――ズダァンッ!!!!≫
「うぉっ!?」
「きゃあっ!」
十数メートルも高い場所から飛び降りるアルケニー。
同時に振動により瓦礫が散布し、ランスとリアが目を瞑る。
直後、目を開けて目の前を見ると、そこには4本の手足の先を、
地面に食い込ませて着地した"鬼女アルケニー"の姿だった。
ショートでおかっぱの美少女顔とは裏腹に、衣服は着ておらず全裸で、
胸やお尻は殆ど出ていない、スレンダーな体格。
更に詳しく言うと、注目する点は、立ち上がってはおらず、
四つん這いで静止しており、四肢の先っぽは、掌や指が無く、鋭いカマのように尖っていたのだ。
女の子モンスターでもなかなか居ないインパクトの悪魔に、流石のランスでも、少し動揺してしまった。
「(こ、こいつ……遠くからじゃ見えなかったが、まるで蜘蛛だな……)」
『あんたたち、デビルバスターね? だったら、容赦しないわよ!?』
たちろぐランスに対し、片腕を突き付けて威嚇するアルケニー。
顔に幼さは残るが、威勢は勇ましく、やはり悪魔といったところだ。
前途のように威圧感もあるので、普通の人間ではチビりそうだが、
相手がランスである時点で、怯ませたのはそれまでだった。
「(ランス王)」
「(うむ)……いや、俺様は、お前を探していたのだ」
『えっ……?』
「俺様は、偉大なるデビルサマナー様だ、お前を是非仲魔にしたい」
『な、なんですって?』
いきなり交渉に入られ、アルケニーは目を丸くさせる。
今まで自分と対峙した人間は、逃げ出すか、命を狙うか……どちらかだった。
……もしかして"この男"は特別なのか? "デビルサマナー"とも言っていた。
そう思ったが、アルケニーの今までの経験から、易々と心を許すわけには行かない。
よってアルケニーは、鬼女らしく鋭い目付きで、ランスを見上げる。
≪キッ!!≫
「ん? どうした?」
『ふんっ! そんな事言っても、私は騙されないわよ!
どうせ"あいつら"に言われて私を狩りに来たんでしょう!?』
「"あいつら"だと? なんだ? それは」
『しらばっくれないでよ!』
「(聞いてみては如何でしょうか? 悪魔の話に耳を傾けるのも、交渉の一環です)」
「(成る程な)……いや、本当に何の事かわからんぞ、良かったら話してみるがいい、特別に聞いてやろう」
『わ、わかったわよ……だったら、話してやるわ!』
自分のペースを崩され、自分の境遇を話す事となってしまったアルケニー。
……数ヶ月前、彼女はもっと大人びた容姿で、体も一回り大きかった。
その時は、人間の精神世界に入り込み、生気を得ることで力を得ていたのだが、
"とある人間の女"の精神世界に入り込んでいたとき、なんと!
"その人間"をわざわざ、同じように精神世界に入ってまで、
助けに来た"二人組みの人間"に、アルケニーは殺されかけてしまったのだ。
悪魔を従えていた連中は恐ろしく強く、命辛々 女の精神から逃げ出したアルケニー。
……結果、"力"の大半を失い、今はメシア教徒やデビルバスターに命を狙われる日々だと言うのだ。
だとすると、ランスたちが命を狙うデビルバスターだと思っても仕方ない。
「成る程な、大体のことはわかった」
「今は"力"を取り戻す為に、人間を襲っていると言うわけですか?」
『そ、そんな事言ったって、仕方ないでしょぉ!?
あたしだって、人間の生気で力をつけないと、いずれ死んじゃうんだからっ!』
「なら……お前は力が欲しいんだな?」
『そ、そうよ』
「だったら俺様が合体させて、強くさせてやるが、どうだ? それに合体して作るのは"女神"だ、悪くない話だろう」
『ッ!? め、女神――――』
女神と言う言葉で、ノズチと動揺、心が揺らぐ。
彼と同じく醜い蜘蛛のような姿を自覚しているアルケニーは、女神の美しい体を想像して靡(なび)きそうになった。
ランスも、"効果あったか?"と、彼女の返事を待っていたが――――
≪ザザン……ッ!!≫
「……居たぞ! "アルケニー"だ!」
「やっと見つけたぞ! メシア様の精神を侵しおって……!」
「奴は邪悪な、神に歯向かう悪魔だ! 殺せッ!!」
『ひっ……!(ど、どうしてこんなにっ……)』
そんな中、突然姿を現した、"メシア教徒:テンプルナイト"。
何時の間にか囲まれており、その数は8人。
何を隠そう、アルケニーが言っていた"あいつら"とは彼らのことで、
"鬼女アルケニー"はメシア教徒に指名手配されている悪魔だったのだ!
普段アルケニーは、相手が大して強くは無く2~3人程度であれば、さっさと殺すか、
逆なら早いうちに逃げ出してしまうのだが、今回は数が違う。
しかも、メシア教徒の武装戦闘集団、テンプルナイトとなれば話は別だ。
よって、その場から動くに動けず、ランスも"なんだぁ?"と辺りを見回す中、
一人の隊長格のテンプルナイトが彼の方へと近付いてきた。
「おい、お前……誰かは知らんが、良くやってくれた」
「なんだと?」
「この"化け物"の処分は我々がやる、早々に此処を立ち去れ」
「……(ピクッ)……」
『(なんだ、バカみたい……あたし、やっぱりアイツに騙されてたんだ……)』
テンプルナイト達は、ランス達とアルケニーが何やら話す中、その周りを全員で包囲していたのだ。
ランスはそんな事をさせる気は無かったが、アルケニーはやはり罠だったのかと、心を沈める。
少しでもこのサマナーを信じていた自分がバカだったと……しかし……
「おい、どうした? 早く立ち去れ!」
「……うせろ」
「なに?」
「失せろと言ってんだ! 邪魔するんじゃねぇ!!」
≪ドブシュ……ッ!!≫
「ぎゃあああぁぁぁッ!!」
『えっ……』
「た、隊長ぉ!?」
「な……何をするんだッ! 貴様ぁ!?」
「うるせぇうるせぇ! 俺様はこいつと交渉してたんだ、 だから俺様の悪魔だ! テメェらにはやらんッ!」
「悪魔に味方するだとォ!?」
「こいつも神に歯向かう愚か者だ! 全員殺せぇぇ!!」
隊長と思われるテンプルナイトを、ランスは叩き切った。
中に天使(エンジェルナイト)がいたので、同胞だと勘違いしたのが運の尽き。
直後、アルケニーを庇うようにセラミックソードを構えると、相手を威嚇し、テンプルナイトも激怒して襲い掛かる。
「な、なんでこうなっちゃうのぉ~!?」
「仕方ありませんね……」
『ご主人様、守護いたしますっ!』
……
…………
「やれやれ、何とかなったな」
「うぅ……もう疲れたの……」
「リア様、しっかり」
「エンジェルナイト、何か使えそうなものがあるか調べておけ。」
『わ、わかりました』
『……ッ……』
……数分後、テンプルナイト隊を全滅させたランスたち。
7人相手なのでなかなか梃子摺ったのだが、悪魔単体より個々の力は弱く、指揮官を初っ端に失ったためか、
相手は動揺を隠せず被害被(こうむ)る事無く、周囲には敵の死体だけである。
一方、何もしていなかったアルケニーは、今は無言で、
信じられない表情でテンプルナイト達の死体を眺めていたが、
一息を終えたランスがセラミックソードを肩に、彼女を見下ろして声を掛けた。
「おい、大丈夫か?」
『…………』
「お~い、アルケニぃー!」
『えっ!? あ、うん……大丈夫よ』
「そうか……しかし俺様の邪魔をしやがって、けしからん奴らだ。そんな奴らは死んで当然だな、がははははは」
『でも、どうして……あたしなんかを助けたの?
"鬼女"なんて、他にも腐るほどいるんだよ? なのに、わざわざ……』
「そりゃあ、あんな話聞かされちまったしな。それにメシアの野郎共がムカついたダケだ、深い意味は無いぞ」
『じ、じゃあさ、仲魔の話だけど……本当にあたしで良いの? こんな"化け物"なんかで……』
「うむ、問題ないぞ? だが自分を化け物なんて言うな。手足はとにかく、その顔は十分に可愛いんだからな」
『ッ!? うっ、うぅぅっ……』
思ってもいなかったランスたちの戦いを見たアルケニー。
よく言えば自分の為に戦ってくれたので、今度はその事が信じられずにランスに質問した。
最初に出会った第一印象での互いに理解して居ない状況からの問いただしはともかく、
今はテンプルナイトを全滅させた事実があるのだが、聞かずにはいられなかったのだ。
そんな中、ランスのとある単語を聞いた時、アルケニーの瞳に自然と涙が溜まり……
「ど、どうしたぁ?」
『うわあああぁぁぁん!!』
≪がばっ!!≫
「どわっ!?」
『そ……そんな事初めて言われたよぉっ! あ、あたし嬉しくって……グスッ……!』
「なら、俺様の胸を貸してやろうではないか、存分に泣くがいい!」
悪魔なので年は相当なものだと思われるが、アルケニーは泣きながらランスに飛びついた。
勿論、四肢の先は危ないので、当たらないように抱きついている。
この時点で、アルケニーはランスの仲魔となる決心をした。
その先に例え……すぐ合体させられるという、運命が待っているとしても。
『うん……ところで、あなたの名前、何ていうの?』
「おっと、そう言えばまだ言ってなかったな……俺様はランスだ!」
『へぇ"ランス"かぁ……格好良い名前だね』
「がははははは、そうだろう、そうだろう? とりあえず、まずは俺様の口付けをプレゼントしてやろう!」
『ほ、本当っ?』
……そんな訳で、"龍王ノズチ"に続き、"鬼女アルケニー"が仲魔となった。
ランスが抱きつくアルケニーと口付けをするとき、
丁度夕日が重なってシルエットとなるが、その光景をよそに、
三人の女性は黙々とテンプルナイトの物色をしていた。
エンジェルナイトとマリスはまだ良いが、リアも混ざってしまっている。
『あっ! これは"プラズマソード"ね! ご主人様が喜ぶわ!』
「1000、2000……マリスぅ! こんなにあったよぉ~!」
「(すっかり、悪魔との戦いが板についてしまわれたのね、リア様……)」
○ステータス(初期値ALL5+ボーナス18+Lv=合計)
ランスLv30 力22 知10 魔6 体16 速16 運8
リ アLv24 力8 知14 魔20 体8 速12 運10
マリスLv26 力12 知20 魔12 体10 速14 運6
残金:6000マッカ
=コメント=
実はこの悪魔、真・女神転生のボスで出てきたアルケニーです。
ちなみに真・女神転生の女神はLIGHT-LAWですが何とかします。
『プラズマソード』もLAW属性しか装備できませんが、装備させちゃいます。
目次
管理人に用事がおありの方は、[Pixiv]や[Twitter]で直接連絡をお願い致します。
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第一部:第11話【アルケニー】 [鬼畜召喚師ランス]
「おぉ! きたきたきたぁ! "鬼女アルケニー"だぜッ!」
「では、目標の悪魔ですか」
「そうなるな……お~い! 降りてきやがれぇ~!」
「交渉しようよぉ~っ!」
『("また"来たの? あたしを殺そうとするデビルバスターが……)』
何やら剣を振りかざして叫んでいるランスたちを見下ろし、アルケニーはつまらなそうな表情で考える。
そんな彼女の顔はまだ18歳程度の少女であるのに、
彼女が意識せずとも体全体から人ならざる威圧感がこみ上げている。
まだ、遠くに居るランス達は気付いていないが……
『(このまま無視しても良いんだけどね、少しは楽しませてくれるかしら?)』
≪バッ……――――ズダァンッ!!!!≫
「うぉっ!?」
「きゃあっ!」
十数メートルも高い場所から飛び降りるアルケニー。
同時に振動により瓦礫が散布し、ランスとリアが目を瞑る。
直後、目を開けて目の前を見ると、そこには4本の手足の先を、
地面に食い込ませて着地した"鬼女アルケニー"の姿だった。
ショートでおかっぱの美少女顔とは裏腹に、衣服は着ておらず全裸で、
胸やお尻は殆ど出ていない、スレンダーな体格。
更に詳しく言うと、注目する点は、立ち上がってはおらず、
四つん這いで静止しており、四肢の先っぽは、掌や指が無く、鋭いカマのように尖っていたのだ。
女の子モンスターでもなかなか居ないインパクトの悪魔に、流石のランスでも、少し動揺してしまった。
「(こ、こいつ……遠くからじゃ見えなかったが、まるで蜘蛛だな……)」
『あんたたち、デビルバスターね? だったら、容赦しないわよ!?』
たちろぐランスに対し、片腕を突き付けて威嚇するアルケニー。
顔に幼さは残るが、威勢は勇ましく、やはり悪魔といったところだ。
前途のように威圧感もあるので、普通の人間ではチビりそうだが、
相手がランスである時点で、怯ませたのはそれまでだった。
「(ランス王)」
「(うむ)……いや、俺様は、お前を探していたのだ」
『えっ……?』
「俺様は、偉大なるデビルサマナー様だ、お前を是非仲魔にしたい」
『な、なんですって?』
いきなり交渉に入られ、アルケニーは目を丸くさせる。
今まで自分と対峙した人間は、逃げ出すか、命を狙うか……どちらかだった。
……もしかして"この男"は特別なのか? "デビルサマナー"とも言っていた。
そう思ったが、アルケニーの今までの経験から、易々と心を許すわけには行かない。
よってアルケニーは、鬼女らしく鋭い目付きで、ランスを見上げる。
≪キッ!!≫
「ん? どうした?」
『ふんっ! そんな事言っても、私は騙されないわよ!
どうせ"あいつら"に言われて私を狩りに来たんでしょう!?』
「"あいつら"だと? なんだ? それは」
『しらばっくれないでよ!』
「(聞いてみては如何でしょうか? 悪魔の話に耳を傾けるのも、交渉の一環です)」
「(成る程な)……いや、本当に何の事かわからんぞ、良かったら話してみるがいい、特別に聞いてやろう」
『わ、わかったわよ……だったら、話してやるわ!』
自分のペースを崩され、自分の境遇を話す事となってしまったアルケニー。
……数ヶ月前、彼女はもっと大人びた容姿で、体も一回り大きかった。
その時は、人間の精神世界に入り込み、生気を得ることで力を得ていたのだが、
"とある人間の女"の精神世界に入り込んでいたとき、なんと!
"その人間"をわざわざ、同じように精神世界に入ってまで、
助けに来た"二人組みの人間"に、アルケニーは殺されかけてしまったのだ。
悪魔を従えていた連中は恐ろしく強く、命辛々 女の精神から逃げ出したアルケニー。
……結果、"力"の大半を失い、今はメシア教徒やデビルバスターに命を狙われる日々だと言うのだ。
だとすると、ランスたちが命を狙うデビルバスターだと思っても仕方ない。
「成る程な、大体のことはわかった」
「今は"力"を取り戻す為に、人間を襲っていると言うわけですか?」
『そ、そんな事言ったって、仕方ないでしょぉ!?
あたしだって、人間の生気で力をつけないと、いずれ死んじゃうんだからっ!』
「なら……お前は力が欲しいんだな?」
『そ、そうよ』
「だったら俺様が合体させて、強くさせてやるが、どうだ? それに合体して作るのは"女神"だ、悪くない話だろう」
『ッ!? め、女神――――』
女神と言う言葉で、ノズチと動揺、心が揺らぐ。
彼と同じく醜い蜘蛛のような姿を自覚しているアルケニーは、女神の美しい体を想像して靡(なび)きそうになった。
ランスも、"効果あったか?"と、彼女の返事を待っていたが――――
≪ザザン……ッ!!≫
「……居たぞ! "アルケニー"だ!」
「やっと見つけたぞ! メシア様の精神を侵しおって……!」
「奴は邪悪な、神に歯向かう悪魔だ! 殺せッ!!」
『ひっ……!(ど、どうしてこんなにっ……)』
そんな中、突然姿を現した、"メシア教徒:テンプルナイト"。
何時の間にか囲まれており、その数は8人。
何を隠そう、アルケニーが言っていた"あいつら"とは彼らのことで、
"鬼女アルケニー"はメシア教徒に指名手配されている悪魔だったのだ!
普段アルケニーは、相手が大して強くは無く2~3人程度であれば、さっさと殺すか、
逆なら早いうちに逃げ出してしまうのだが、今回は数が違う。
しかも、メシア教徒の武装戦闘集団、テンプルナイトとなれば話は別だ。
よって、その場から動くに動けず、ランスも"なんだぁ?"と辺りを見回す中、
一人の隊長格のテンプルナイトが彼の方へと近付いてきた。
「おい、お前……誰かは知らんが、良くやってくれた」
「なんだと?」
「この"化け物"の処分は我々がやる、早々に此処を立ち去れ」
「……(ピクッ)……」
『(なんだ、バカみたい……あたし、やっぱりアイツに騙されてたんだ……)』
テンプルナイト達は、ランス達とアルケニーが何やら話す中、その周りを全員で包囲していたのだ。
ランスはそんな事をさせる気は無かったが、アルケニーはやはり罠だったのかと、心を沈める。
少しでもこのサマナーを信じていた自分がバカだったと……しかし……
「おい、どうした? 早く立ち去れ!」
「……うせろ」
「なに?」
「失せろと言ってんだ! 邪魔するんじゃねぇ!!」
≪ドブシュ……ッ!!≫
「ぎゃあああぁぁぁッ!!」
『えっ……』
「た、隊長ぉ!?」
「な……何をするんだッ! 貴様ぁ!?」
「うるせぇうるせぇ! 俺様はこいつと交渉してたんだ、 だから俺様の悪魔だ! テメェらにはやらんッ!」
「悪魔に味方するだとォ!?」
「こいつも神に歯向かう愚か者だ! 全員殺せぇぇ!!」
隊長と思われるテンプルナイトを、ランスは叩き切った。
中に天使(エンジェルナイト)がいたので、同胞だと勘違いしたのが運の尽き。
直後、アルケニーを庇うようにセラミックソードを構えると、相手を威嚇し、テンプルナイトも激怒して襲い掛かる。
「な、なんでこうなっちゃうのぉ~!?」
「仕方ありませんね……」
『ご主人様、守護いたしますっ!』
……
…………
「やれやれ、何とかなったな」
「うぅ……もう疲れたの……」
「リア様、しっかり」
「エンジェルナイト、何か使えそうなものがあるか調べておけ。」
『わ、わかりました』
『……ッ……』
……数分後、テンプルナイト隊を全滅させたランスたち。
7人相手なのでなかなか梃子摺ったのだが、悪魔単体より個々の力は弱く、指揮官を初っ端に失ったためか、
相手は動揺を隠せず被害被(こうむ)る事無く、周囲には敵の死体だけである。
一方、何もしていなかったアルケニーは、今は無言で、
信じられない表情でテンプルナイト達の死体を眺めていたが、
一息を終えたランスがセラミックソードを肩に、彼女を見下ろして声を掛けた。
「おい、大丈夫か?」
『…………』
「お~い、アルケニぃー!」
『えっ!? あ、うん……大丈夫よ』
「そうか……しかし俺様の邪魔をしやがって、けしからん奴らだ。そんな奴らは死んで当然だな、がははははは」
『でも、どうして……あたしなんかを助けたの?
"鬼女"なんて、他にも腐るほどいるんだよ? なのに、わざわざ……』
「そりゃあ、あんな話聞かされちまったしな。それにメシアの野郎共がムカついたダケだ、深い意味は無いぞ」
『じ、じゃあさ、仲魔の話だけど……本当にあたしで良いの? こんな"化け物"なんかで……』
「うむ、問題ないぞ? だが自分を化け物なんて言うな。手足はとにかく、その顔は十分に可愛いんだからな」
『ッ!? うっ、うぅぅっ……』
思ってもいなかったランスたちの戦いを見たアルケニー。
よく言えば自分の為に戦ってくれたので、今度はその事が信じられずにランスに質問した。
最初に出会った第一印象での互いに理解して居ない状況からの問いただしはともかく、
今はテンプルナイトを全滅させた事実があるのだが、聞かずにはいられなかったのだ。
そんな中、ランスのとある単語を聞いた時、アルケニーの瞳に自然と涙が溜まり……
「ど、どうしたぁ?」
『うわあああぁぁぁん!!』
≪がばっ!!≫
「どわっ!?」
『そ……そんな事初めて言われたよぉっ! あ、あたし嬉しくって……グスッ……!』
「なら、俺様の胸を貸してやろうではないか、存分に泣くがいい!」
悪魔なので年は相当なものだと思われるが、アルケニーは泣きながらランスに飛びついた。
勿論、四肢の先は危ないので、当たらないように抱きついている。
この時点で、アルケニーはランスの仲魔となる決心をした。
その先に例え……すぐ合体させられるという、運命が待っているとしても。
『うん……ところで、あなたの名前、何ていうの?』
「おっと、そう言えばまだ言ってなかったな……俺様はランスだ!」
『へぇ"ランス"かぁ……格好良い名前だね』
「がははははは、そうだろう、そうだろう? とりあえず、まずは俺様の口付けをプレゼントしてやろう!」
『ほ、本当っ?』
……そんな訳で、"龍王ノズチ"に続き、"鬼女アルケニー"が仲魔となった。
ランスが抱きつくアルケニーと口付けをするとき、
丁度夕日が重なってシルエットとなるが、その光景をよそに、
三人の女性は黙々とテンプルナイトの物色をしていた。
エンジェルナイトとマリスはまだ良いが、リアも混ざってしまっている。
『あっ! これは"プラズマソード"ね! ご主人様が喜ぶわ!』
「1000、2000……マリスぅ! こんなにあったよぉ~!」
「(すっかり、悪魔との戦いが板についてしまわれたのね、リア様……)」
○ステータス(初期値ALL5+ボーナス18+Lv=合計)
ランスLv30 力22 知10 魔6 体16 速16 運8
リ アLv24 力8 知14 魔20 体8 速12 運10
マリスLv26 力12 知20 魔12 体10 速14 運6
残金:6000マッカ
=コメント=
実はこの悪魔、真・女神転生のボスで出てきたアルケニーです。
ちなみに真・女神転生の女神はLIGHT-LAWですが何とかします。
『プラズマソード』もLAW属性しか装備できませんが、装備させちゃいます。
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