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第二部:第06話【闘鬼】 [鬼畜召喚師ランス]
情報収集が終わったランス達は、闘鬼を探して六本木周辺を探索する。
「申し訳ありません、遅くなりました」
「んあ? 時間前だ、気にするな」
「マリスぅ、お店はどうだったの~?」
「(リア様?)そうですね……あまり品揃えは良くありませんでした」
「そうなのか? ふん、所詮は歓楽街だけの所なのか」
「はい、他にも色々と回ってみましたが、特に気になるお店はありませんでした。
ですから装備を揃えるのであれば、銀座が良いかと思われます」
「だが銀座に行くにゃあ、仲魔不足ってか……」
「ダーリン、どうするのぉ?」
「そりゃあ決まってるだろ、仲魔を……"闘鬼"探すのだぁ!!」
「それが無難ですね」
マリスが戻ると、早速これからの予定について話し合う。
結果、六本木の外で仲魔探しが決定し、リアとマリスはランスに続いた。
この時、マリスはリアの様子に若干変化があるように感じたが、
何となく口を出すほどの事でもないと判断し、あえて何も言わなかった。
……
…………
「(ピピピッ)けっ、"邪鬼ウェンディゴ"か……」
『今日、俺達は血に飢えてんだぁ!!』
『覚悟は出来てんだろぉなあ!?』
「戦うのぉ?」
「決まってるだろうが! マリス、燃やしちまえ」
「わかりました」
≪――――ボォウッ!!≫
『ゲッ!? こ、こいつ……!!』
「……マハラギオンッ!!」
……
…………
『ふん、人間か……』
『やれるものなら、やるがいい。』
「あれは"妖魔イソラ"です、レベルが高い上、属性が違いますね。
戦うのであれば"水の壁"を使うので、私の魔法は……」
「わかってる、リア。奴らの電撃は厄介だから相殺しろよ」
「うんッ」
「お前達は一気に切り込め、俺様が続いて仕留めてやる」
『はい、ご主人様』
『わかった』
「……そんな訳だ、挑戦を受けてやる、あの世で後悔しやがれ!!」
『人間風情が自惚れおって!!』
『覚悟しろ……ッ!!』
……
…………
『グルルルルルッ……』
「"妖獣アツユ"、ダーク悪魔か……つまらん」
「今回は数が多いですね」
「いち、にー、さん、しー……な、7匹も居るよぉ?」
『……来るぞッ!?』
『グオオオォォーーッ!!』
≪――――ドドドドドッ!!≫
「仕方ねぇな、お前ら! 特技を使え、俺様が許す!!」
『承知しました!』
『わかったッ! "ヒートウェイブ"ッ!!』
『はぁあっ! "羽ばたき"っ!!』
……
…………
"闘鬼"を探して、六本木近辺をウロウロするランス達。
もちろんエンジェルナイトとアリアンロッドは召喚済み。
対して新宿と比べれば一回り悪魔が強くなっているが、
ランスはサマナーとしての判断力や統率力が板についてきたようで、
一度倒した悪魔に対しては、"デビルアナライズ"を有効利用し、弱点を突いた短期決着を狙うようにしていた。
よってリアに回復魔法をたいして使わせることなく、数時間が過ぎた。
「う~む……闘鬼、闘鬼……」
「居ませんね」
「ホントにそんな種族居るの~?」
『間違いなく居ると思いますよぉ?』
『あぁ、その筈だ』
「うむ、無きゃ困るぞ、鬼神が作れんからな」
この数日間、ランスたちはまだ一回も闘鬼という種族と遭遇していない。
アナライズの大半を占めるのは、ダーク悪魔が殆どである。
その為か少し不安になってしまったが、噂をすればなんとやら――――
≪パシャァァッ!!≫
『ふふっ……』
「ッ!? おぉ~っ……美人女悪魔はっけぇぇん!!」
『背が高ぁい……』
『くっ、なかなか出来る……(な、何と言う胸だ……)』
「ダーリンッ、やっつけちゃおうよぉっ!」
「いぃや、俺様は交渉するぞぉ~っ!(ピピピッ)」
「ぶぅ~~……」
「(やっぱりですか……)」
突然地面がパシャリと飛沫(しぶき)を上げ、一体の女性悪魔が登場した。
かなりの長身で両手に剣を持ち、肌は全身薄紫色……
身に着けているのは腰ミノと"鬼"を思わせる髪飾りと、所々にアクセサリー。
豊満な胸は長い黒髪に隠れているが、上半身に衣は無い。
そんな過激を格好をしている美女の"闘鬼"に、ランスは属性や種族を気にせずに交渉に入ろうとしてしまう。
だが、エルフの事もあったので思い止まり、
念のためにアームターミナルを操作して種族及び属性を調べると――――
「むむっ!? "闘鬼ヤクシニー"ではないかッ、丁度良いぜ!!
こんなムチムチなねーちゃんが闘鬼だとはラッキーだぁぁッ!!」
≪――――だだだだっ!!≫
「ダーリン、危ないってばぁ!!」
何と出現したのはランスが探していた"闘鬼"、ヤクシニーだったのだ。
種族名からして、こうも大胆な姿をした悪魔だとは思わなかったので、
ランスは興奮気味に"闘鬼ヤクシニー"の方にまで走って近付いた。
すると、体長2メートルを超えるヤクシニーは、
ランスを見下ろす形となり、カミーラ以上の背の高さに、ランスは少し驚いた。
「うぉあっ……(でっけぇなぁ……)」
『あら坊や、可愛がってあげるわ』
「(まぁ美人だし巨乳だし、抱き心地もグットだろう、絶対に仲魔にするぞ!)
ほぅ……だが俺様はどっちかと言うと、可愛がってやる側なんだがなぁ?」
『へぇ、アンタみたいなボクちゃんが?』
「ボクちゃんだとぉ? 俺様は偉大なるデビルサマナー様だぞ!?」
『知ってるわ、腕を見ればわかるもの』
「そうかそうか、ならば俺様の仲魔にならんか?」
『仲魔……?』
「可愛がられる方も、たまには良いと思うぞ? がははははは」
自信満々で両手を腰に豪語するランス。
対して、最初は静かな笑みを浮かべていたヤクシニーだったが、ふと眼つきが鋭くなった。
――――直後、殺気を放ちながら言った。
『鼻の下、伸ばすんじゃないわよ』
「なにぃ?」
『……行くわよッ!?』
「うぉっ!?」
≪ヒュッ――――ガキィンッ!!≫
『!? 良く防げたわねッ!』
『ご、ご主人様!!』
『ランス!!』
「いや……お前らは手を出すな! こいつは俺様の相手だ!」
『へぇ、面白いわねッ? なら、私に勝ったら仲魔になってあげてもいいわよ!?』
「ほほぅ、それは本当だなッ? ならばサマナー様の実力を見るが良いわぁ!!」
≪がしいいぃぃんっ!!≫
『くっ……!!(思ったより……)』
交渉の一環として、ヤクシニーと一騎打ちする事になったランス。
勝てばナイスバディのヤクシニーが手に入るので、彼は珍しく本気モードになった!!
よってリア達4人が見守る中、ヤクシニーの剣を力で弾いたランスだったが、
彼の攻撃を受けて彼女が"体制を戻す時"に、見れてしまったモノの事を言う余裕もあった。
「ほぉ? やはり良い形のオッパイではないか。是非しゃぶりたい」
『……ッ!? ふ、ふざけないでっ!!』
≪――――ヒュッ! ブゥゥンッ!!≫
「おわっ!? 危ないだろ、当たったらど~してくれる!!」
『うるさい! 殺すッ!!』
≪――――ガキイイィィンッ!!!!≫
「ちいッ!?」
『まだまだよっ!!』
≪キィン、ギィンッ! ――――ビュッ!!≫
「だ、ダーリンッ!?」
「リア様、きっと大丈夫です」
「心配するな! よ~く見ておけぇ!」
『このっ、本気にされたわねッ!? 回転斬り……ッ!!』
≪――――ガバアアァァッ!!!!≫
「!? なんのッ、(名前だけだが)ラーンス・アタック!!」
……
…………
≪がしぃんっ、がしいいぃぃんっ!!≫
『このっ……(つ、強い……!)』
「もぉらったああぁぁ~~ッ!!」
≪ギイイィィンッ!! ……ヒュルルルルルッ――――ザクッ!!≫
『……ッ……わ、私の負けよ……』
「がははははは、当然の結果だ」
戦いは3分ほど続き、その一騎打ちの勝者は……ランスであった。
だがヤクシニーは決して弱い悪魔という訳ではなく、むしろランスと互角。
そんな彼女の敗因は、初っ端から戦いのペースをランスに持ってゆかれた事によるだろう。
故に挑発に乗って早くも必殺剣を放ってしまい、
それを抑えられてしまってからは、勝負は完全にランスの物だった。
されど女性の体を傷付ける趣味の無いランスは、
二本のうち一本の剣を弾いただけでヤクシニーが無傷な状態で勝っているが、
精神的ダメージはあったかヤクシニーは片膝をつき、彼女を逆にランスが見下ろしている形になっている。
『どうしたの? 殺すならさっさとしなさい。元から こんな世界に未練はないわ』
「はぁ~? 何言ってやがる。自分に勝ったら俺様の仲魔になると言ったろう?」
『そ……そうだったわね』
「ならば、俺様に忠誠を誓うという訳だな?」
『えぇ……私、強い男は嫌いじゃないしね……何でも、お望み通り……するわ』
「うむ、良い心掛けだ、とりあえず、"この中"に入っていろ」
『え、えぇ……今後とも宜しく頼むわね』
≪シュウウゥゥ~……≫
こうしてランスの仲魔になる事になった闘鬼ヤクシニー。
彼女は何やら顔を朱に染めてランスを見上げていたが、
彼にすぐさまアームターミナルに入るよう言われ、少し残念そうに吸収されていった。
その彼行動に、マリスは少し首を傾げるが、残り三人がランスに近付く。
「ダーリン、格好良かったよぉ!!」
『み、見事でしたっ!』
『良い戦いを見させてもらった』
「がははははは。お前ら遠慮なく、俺様を尊敬しろよ?」
「……(ランスさん、何か企んでいるのでしょうね……)」
「とにかく、これで"鬼神"が作れるってワケだ。目的は果たしたし、今日はこれで帰って寝るぞ~」
「そうだね、リア疲れちゃった(特にお店でダーリンとエッチして……)」
「マリース! 行くぞっ!」
「あ、はい。畏まりました」
……
…………
……1時間後、六本木に戻ってきたランス達。
エンジェルナイトとアリアンロッドには、再びスキンシップの"御褒美"をくれてやり、アームターミナルに回収。
よって現在はランス・リア・マリスで六本木ターミナルへと歩いている。
「あ~、くたびれた、くたびれた。寄り道する気力も無いぞ」
「ダーリン、合体はぁ?」
「それは無論明日だ、くたびれた、くたびれた~!」
「む~~っ……」
「(昨日も同じような声を出していましたね、リア様……)」
「そんな訳でだ。戻ったら直ぐ俺様は寝るから、邪魔するなよ?」
「はぁ~い……」
「ランスさん、使った消耗品は殆ど無いので、買い足しは必要無さそうですが?」
「そうだな、買い物は良いからお前らもさっさと休んでおけ、なんなら昼まで寝ていても構わんぞ」
「はい(やっぱり……)」
やたら疲れをアピールするランスに、マリスは心の中で溜息をつく。
彼が一人で借りた部屋で、夜何をするのかが、容易に想像出来るからだ。
その分リアと一緒に居れるのは嬉しいが、リアの"ランスと一緒に居たい"という願いも叶えて欲しい気もするし、
何事も深く考えてしまうマリスは今日も些細な事で頭を悩ませる事になるのだった。
(だが元の世界と比べれば考えられないほど贅沢な悩みではあるが)
さて置き。ランスの夜はまだ続きそうだが……翌日は遂に、"鬼神"の誕生である。
○ステータス(初期値ALL5+ボーナス18+Lv=合計)
ランスLv35 力25 知10 魔6 体16 速18 運8
リ アLv28 力8 知16 魔20 体8 速14 運10
マリスLv30 力12 知22 魔12 体10 速16 運6
残金:18000マッカ
目次
「申し訳ありません、遅くなりました」
「んあ? 時間前だ、気にするな」
「マリスぅ、お店はどうだったの~?」
「(リア様?)そうですね……あまり品揃えは良くありませんでした」
「そうなのか? ふん、所詮は歓楽街だけの所なのか」
「はい、他にも色々と回ってみましたが、特に気になるお店はありませんでした。
ですから装備を揃えるのであれば、銀座が良いかと思われます」
「だが銀座に行くにゃあ、仲魔不足ってか……」
「ダーリン、どうするのぉ?」
「そりゃあ決まってるだろ、仲魔を……"闘鬼"探すのだぁ!!」
「それが無難ですね」
マリスが戻ると、早速これからの予定について話し合う。
結果、六本木の外で仲魔探しが決定し、リアとマリスはランスに続いた。
この時、マリスはリアの様子に若干変化があるように感じたが、
何となく口を出すほどの事でもないと判断し、あえて何も言わなかった。
……
…………
「(ピピピッ)けっ、"邪鬼ウェンディゴ"か……」
『今日、俺達は血に飢えてんだぁ!!』
『覚悟は出来てんだろぉなあ!?』
「戦うのぉ?」
「決まってるだろうが! マリス、燃やしちまえ」
「わかりました」
≪――――ボォウッ!!≫
『ゲッ!? こ、こいつ……!!』
「……マハラギオンッ!!」
……
…………
『ふん、人間か……』
『やれるものなら、やるがいい。』
「あれは"妖魔イソラ"です、レベルが高い上、属性が違いますね。
戦うのであれば"水の壁"を使うので、私の魔法は……」
「わかってる、リア。奴らの電撃は厄介だから相殺しろよ」
「うんッ」
「お前達は一気に切り込め、俺様が続いて仕留めてやる」
『はい、ご主人様』
『わかった』
「……そんな訳だ、挑戦を受けてやる、あの世で後悔しやがれ!!」
『人間風情が自惚れおって!!』
『覚悟しろ……ッ!!』
……
…………
『グルルルルルッ……』
「"妖獣アツユ"、ダーク悪魔か……つまらん」
「今回は数が多いですね」
「いち、にー、さん、しー……な、7匹も居るよぉ?」
『……来るぞッ!?』
『グオオオォォーーッ!!』
≪――――ドドドドドッ!!≫
「仕方ねぇな、お前ら! 特技を使え、俺様が許す!!」
『承知しました!』
『わかったッ! "ヒートウェイブ"ッ!!』
『はぁあっ! "羽ばたき"っ!!』
……
…………
"闘鬼"を探して、六本木近辺をウロウロするランス達。
もちろんエンジェルナイトとアリアンロッドは召喚済み。
対して新宿と比べれば一回り悪魔が強くなっているが、
ランスはサマナーとしての判断力や統率力が板についてきたようで、
一度倒した悪魔に対しては、"デビルアナライズ"を有効利用し、弱点を突いた短期決着を狙うようにしていた。
よってリアに回復魔法をたいして使わせることなく、数時間が過ぎた。
「う~む……闘鬼、闘鬼……」
「居ませんね」
「ホントにそんな種族居るの~?」
『間違いなく居ると思いますよぉ?』
『あぁ、その筈だ』
「うむ、無きゃ困るぞ、鬼神が作れんからな」
この数日間、ランスたちはまだ一回も闘鬼という種族と遭遇していない。
アナライズの大半を占めるのは、ダーク悪魔が殆どである。
その為か少し不安になってしまったが、噂をすればなんとやら――――
≪パシャァァッ!!≫
『ふふっ……』
「ッ!? おぉ~っ……美人女悪魔はっけぇぇん!!」
『背が高ぁい……』
『くっ、なかなか出来る……(な、何と言う胸だ……)』
「ダーリンッ、やっつけちゃおうよぉっ!」
「いぃや、俺様は交渉するぞぉ~っ!(ピピピッ)」
「ぶぅ~~……」
「(やっぱりですか……)」
突然地面がパシャリと飛沫(しぶき)を上げ、一体の女性悪魔が登場した。
かなりの長身で両手に剣を持ち、肌は全身薄紫色……
身に着けているのは腰ミノと"鬼"を思わせる髪飾りと、所々にアクセサリー。
豊満な胸は長い黒髪に隠れているが、上半身に衣は無い。
そんな過激を格好をしている美女の"闘鬼"に、ランスは属性や種族を気にせずに交渉に入ろうとしてしまう。
だが、エルフの事もあったので思い止まり、
念のためにアームターミナルを操作して種族及び属性を調べると――――
「むむっ!? "闘鬼ヤクシニー"ではないかッ、丁度良いぜ!!
こんなムチムチなねーちゃんが闘鬼だとはラッキーだぁぁッ!!」
≪――――だだだだっ!!≫
「ダーリン、危ないってばぁ!!」
何と出現したのはランスが探していた"闘鬼"、ヤクシニーだったのだ。
種族名からして、こうも大胆な姿をした悪魔だとは思わなかったので、
ランスは興奮気味に"闘鬼ヤクシニー"の方にまで走って近付いた。
すると、体長2メートルを超えるヤクシニーは、
ランスを見下ろす形となり、カミーラ以上の背の高さに、ランスは少し驚いた。
「うぉあっ……(でっけぇなぁ……)」
『あら坊や、可愛がってあげるわ』
「(まぁ美人だし巨乳だし、抱き心地もグットだろう、絶対に仲魔にするぞ!)
ほぅ……だが俺様はどっちかと言うと、可愛がってやる側なんだがなぁ?」
『へぇ、アンタみたいなボクちゃんが?』
「ボクちゃんだとぉ? 俺様は偉大なるデビルサマナー様だぞ!?」
『知ってるわ、腕を見ればわかるもの』
「そうかそうか、ならば俺様の仲魔にならんか?」
『仲魔……?』
「可愛がられる方も、たまには良いと思うぞ? がははははは」
自信満々で両手を腰に豪語するランス。
対して、最初は静かな笑みを浮かべていたヤクシニーだったが、ふと眼つきが鋭くなった。
――――直後、殺気を放ちながら言った。
『鼻の下、伸ばすんじゃないわよ』
「なにぃ?」
『……行くわよッ!?』
「うぉっ!?」
≪ヒュッ――――ガキィンッ!!≫
『!? 良く防げたわねッ!』
『ご、ご主人様!!』
『ランス!!』
「いや……お前らは手を出すな! こいつは俺様の相手だ!」
『へぇ、面白いわねッ? なら、私に勝ったら仲魔になってあげてもいいわよ!?』
「ほほぅ、それは本当だなッ? ならばサマナー様の実力を見るが良いわぁ!!」
≪がしいいぃぃんっ!!≫
『くっ……!!(思ったより……)』
交渉の一環として、ヤクシニーと一騎打ちする事になったランス。
勝てばナイスバディのヤクシニーが手に入るので、彼は珍しく本気モードになった!!
よってリア達4人が見守る中、ヤクシニーの剣を力で弾いたランスだったが、
彼の攻撃を受けて彼女が"体制を戻す時"に、見れてしまったモノの事を言う余裕もあった。
「ほぉ? やはり良い形のオッパイではないか。是非しゃぶりたい」
『……ッ!? ふ、ふざけないでっ!!』
≪――――ヒュッ! ブゥゥンッ!!≫
「おわっ!? 危ないだろ、当たったらど~してくれる!!」
『うるさい! 殺すッ!!』
≪――――ガキイイィィンッ!!!!≫
「ちいッ!?」
『まだまだよっ!!』
≪キィン、ギィンッ! ――――ビュッ!!≫
「だ、ダーリンッ!?」
「リア様、きっと大丈夫です」
「心配するな! よ~く見ておけぇ!」
『このっ、本気にされたわねッ!? 回転斬り……ッ!!』
≪――――ガバアアァァッ!!!!≫
「!? なんのッ、(名前だけだが)ラーンス・アタック!!」
……
…………
≪がしぃんっ、がしいいぃぃんっ!!≫
『このっ……(つ、強い……!)』
「もぉらったああぁぁ~~ッ!!」
≪ギイイィィンッ!! ……ヒュルルルルルッ――――ザクッ!!≫
『……ッ……わ、私の負けよ……』
「がははははは、当然の結果だ」
戦いは3分ほど続き、その一騎打ちの勝者は……ランスであった。
だがヤクシニーは決して弱い悪魔という訳ではなく、むしろランスと互角。
そんな彼女の敗因は、初っ端から戦いのペースをランスに持ってゆかれた事によるだろう。
故に挑発に乗って早くも必殺剣を放ってしまい、
それを抑えられてしまってからは、勝負は完全にランスの物だった。
されど女性の体を傷付ける趣味の無いランスは、
二本のうち一本の剣を弾いただけでヤクシニーが無傷な状態で勝っているが、
精神的ダメージはあったかヤクシニーは片膝をつき、彼女を逆にランスが見下ろしている形になっている。
『どうしたの? 殺すならさっさとしなさい。元から こんな世界に未練はないわ』
「はぁ~? 何言ってやがる。自分に勝ったら俺様の仲魔になると言ったろう?」
『そ……そうだったわね』
「ならば、俺様に忠誠を誓うという訳だな?」
『えぇ……私、強い男は嫌いじゃないしね……何でも、お望み通り……するわ』
「うむ、良い心掛けだ、とりあえず、"この中"に入っていろ」
『え、えぇ……今後とも宜しく頼むわね』
≪シュウウゥゥ~……≫
こうしてランスの仲魔になる事になった闘鬼ヤクシニー。
彼女は何やら顔を朱に染めてランスを見上げていたが、
彼にすぐさまアームターミナルに入るよう言われ、少し残念そうに吸収されていった。
その彼行動に、マリスは少し首を傾げるが、残り三人がランスに近付く。
「ダーリン、格好良かったよぉ!!」
『み、見事でしたっ!』
『良い戦いを見させてもらった』
「がははははは。お前ら遠慮なく、俺様を尊敬しろよ?」
「……(ランスさん、何か企んでいるのでしょうね……)」
「とにかく、これで"鬼神"が作れるってワケだ。目的は果たしたし、今日はこれで帰って寝るぞ~」
「そうだね、リア疲れちゃった(特にお店でダーリンとエッチして……)」
「マリース! 行くぞっ!」
「あ、はい。畏まりました」
……
…………
……1時間後、六本木に戻ってきたランス達。
エンジェルナイトとアリアンロッドには、再びスキンシップの"御褒美"をくれてやり、アームターミナルに回収。
よって現在はランス・リア・マリスで六本木ターミナルへと歩いている。
「あ~、くたびれた、くたびれた。寄り道する気力も無いぞ」
「ダーリン、合体はぁ?」
「それは無論明日だ、くたびれた、くたびれた~!」
「む~~っ……」
「(昨日も同じような声を出していましたね、リア様……)」
「そんな訳でだ。戻ったら直ぐ俺様は寝るから、邪魔するなよ?」
「はぁ~い……」
「ランスさん、使った消耗品は殆ど無いので、買い足しは必要無さそうですが?」
「そうだな、買い物は良いからお前らもさっさと休んでおけ、なんなら昼まで寝ていても構わんぞ」
「はい(やっぱり……)」
やたら疲れをアピールするランスに、マリスは心の中で溜息をつく。
彼が一人で借りた部屋で、夜何をするのかが、容易に想像出来るからだ。
その分リアと一緒に居れるのは嬉しいが、リアの"ランスと一緒に居たい"という願いも叶えて欲しい気もするし、
何事も深く考えてしまうマリスは今日も些細な事で頭を悩ませる事になるのだった。
(だが元の世界と比べれば考えられないほど贅沢な悩みではあるが)
さて置き。ランスの夜はまだ続きそうだが……翌日は遂に、"鬼神"の誕生である。
○ステータス(初期値ALL5+ボーナス18+Lv=合計)
ランスLv35 力25 知10 魔6 体16 速18 運8
リ アLv28 力8 知16 魔20 体8 速14 運10
マリスLv30 力12 知22 魔12 体10 速16 運6
残金:18000マッカ
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